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消音ピアノ(サイレントピアノ)について、詳しく知りたい!
消音ピアノって、どんな仕組み?何で音が消えるの??
 ○ 簡単に言ってしまえば…
ピアノは弦をハンマーがたたいて音を出していますので
弦にハンマーが当たらないように、途中で止めてしまう
制御バーを取り付けます。
かわりに、鍵盤の動きを読み取るセンサーを組み込んで
ヘッドホンから音を出しているんですね。

〜アップライト(たて型)ピアノの消音システム〜
まず(本来の)ピアノのアクション構造を見てみましょう。
鍵盤を下に降ろしてみます。

指で押したチカラが、複雑な
工程を経て 弦に届きます。

アクションの中央に、ちょうど
ハンマーが弦に当たるタイミ
ングで、右にハネ上がる棒の
ような部品がわかりますか?

このパーツのハネ上がりが、
とても大事なポイントなので
覚えておいてくださいね。
消音ピアノの取り付けの要点は、

ハンマーの動きを止める制御バー

鍵盤の動きを読み取るセンサーです。

左図の、青い部分が制御バー。
(通常演奏の際は←、消音時は→の
 方向に稼動します)

赤い部分が鍵盤センサーです。
(※2008年以降のカワイは、
 センサーの場所が異なります。)
もともと、ハンマー制御バー(=消音バー)を
設置する部分には別の部品が付いており、
まずこれを交換します。

左図の『赤い四角』が、取り付けられた
消音バーを示します。

普段は図の位置にあって、ハンマーの動き
を妨げたりすることはありません。
消音装置を稼動させると、消音バーが手前に動き
ハンマーの動きをさえぎって、音が出ない仕組み
になっています。

代わりに、鍵盤のセンサーが打鍵の強弱(速さ)を
読み取って、ユニットの音源を鳴らすのです。

つまり、消音使用の際のピアノの音は、弾いてる
ピアノ自体のものではないわけですが、弾き心地
はとてもバーチャルで違和感を感じさせません。
(この点、ご心配な方は、ぜひ三浦ピアノ店頭にて
取り付け見本をご試弾くださいませ)
さて、本来のピアノアクションの構造を見た際に
「覚えておいてください」と申した部分がありましたね?
ピアノは、実は「ゆっくり」鍵盤を降ろすと、ハンマーは
弦まで届きません。鍵盤の動きと完全に同調してしまうと、
フェルトでできたハンマーは、弦を叩いて音を出したと
同時に弦を押さえつけて音を止めることになってしまう
からです。
そこで、ピアノのアクションは、ハンマーの先端が弦に
接する数ミリ手前で押し上げる棒がハネ上がって
チカラが抜けます。
最後の数ミリは、惰性で動いて弦に当たるわけです。
通常のピアノの場合、そのチカラの抜ける位置は、弦から
2〜3ミリ程度が基準値なのですが、現代のピアノの場合、
真ん中のペダルで操作する弱音装置(音を小さくする機構)
が存在するために、5ミリ程度の距離に調整されています。
左の図の A の距離が脱力ポイントです。

専門用語で言うと「ハンマー接近」または
「レットオフ」と呼ばれています。

消音ピアノの場合、この距離が、普通の
ピアノに比べて広くなります。

つまり 通常に比べ、鍵盤を叩くチカラが
100%弦に伝わらないということになります。
消音ピアノにすると、タッチが変わってしまうって
聞いたことがあるけど、ホントだったのか?!
確かに、厳密にはその通りです。
けれど、心配することはありません。

うまい技術者が取り付ければ、レットオフは6ミリ。
(マフラー対応接近設定との差、僅か1mm!)
まず、その差を感じることはできない範囲です。
(ただしアップライトピアノなら、ですが)
(グランドピアノについてはコチラをご参照ください)
ただし、この数値を小さく出来るかどうかは
技術者の腕次第。
しかしながら、ベテランの調律師でも、この分野に
おいて習熟度が高い技術者はかなり少ないと
思って間違いありません。
三浦ピアノの取付台数は、全国でも5本の指に入ります。
また、メーカーマニュアルに従うだけでなく、自社工場に
おいて、独自の研究を行い、より良い取り付け技術を
高める努力をしております。
話がそれて、宣伝になってしまいましたね(^^;)。
でもココが最も肝心な部分なことはホントです。
消音ピアノを付けてタッチが悪くなってしまった、
というご意見は、ほとんどの場合、最善の取り付け
が行われず、消音ピアノ本来のチカラが発揮されて
いないモノに対するご感想ではないでしょうか。
もし、現在消音ピアノをお持ちで、ご不満を
持たれている方がいらっしゃいましたら、
「こんなもんだよね」と諦める前に、ぜひ1度弊社に
ご相談ください。改善する余地はあると思います。
次に、鍵盤の動きを読み取るセンサーですが

ヤマハ/カワイ/ピアノサイレンサーで
いくらかシステムが異なります。
(現在のものは、どれも高い性能を持っています。)
メーカー社外品のユニットは、鍵盤センサー側に
可動式の羽根があり、それを鍵盤が抑えることで
ビームを遮断し計測をしています。僅かな負荷は
ありますが、鍵盤中央で1gと、調律師でも、その
重さを感じる数値ではなく全く問題はありません。
(写真は、旧型のコルグセンサー。)
ヤマハユニットの鍵盤センサーは
『無接点方式』。
磁力反応を利用して、鍵盤の動きを
測ります。無接点ですから鍵盤には
全く負荷がかからずに
自然なタッチを維持しています。
カワイ消音ユニットのセンサーは
ハンマーの根元に備わります。
(無接点方式)
鍵盤ではなく、実際に弦を叩く
ハンマーの動く速度を測るため
再現性が高いシステムです。
ピアノサイレンサーも
無接点方式。
鍵盤裏側の反射シールに、
センサーから赤外線が放ち
反射角で速度を計測します。
タッチを邪魔せずに最適な
データを読み取ります。
ペダルにもセンサーが取り付けられますので、
消音演奏時にもペダルが使えます。
その他、多彩な音色での演奏が楽しめたり、MIDI端子
による他の電子楽器やパソコンとの接続が可能な機種もあったり、
音が消えるだけでなく、より、ピアノの世界が広がります♪




けれど、消音ピアノの本当の利点って何でしょう?
それは「音が消える」ことではありません。
音を出せる時間帯には、レバーを戻せば
元通りの生ピアノとして演奏ができる。
言い方を逆にしただけですが、
本当の利点はソコにあるのです。

消音での演奏が違和感なくリアルタッチであったとしても
しょせん、バーチャルはバーチャルでしかありません。

ハンマーが弦を打ち、その弦の振動が響鳴板を震わせて
音を出す。アコースティック演奏の感動は格別なものです。
消音ピアノを得ることによって、より生演奏の醍醐味を
味わう手段としていただけたら…弊社はそう願いつつ、
消音ピアノをお薦めしております。